伊坂幸太郎さんの小説『アイネクライネナハトムジーク』が映画となり近々公開されるそうです。その話題を知らずに、たまたま同じ時期に伊坂幸太郎さんのエッセイ『3652 伊坂幸太郎エッセイ集』を読んでいたので、運命と言うと大げさですが・・・。

伊坂幸太郎さんの小説『アイネクライネナハトムジーク』が映画化

伊坂幸太郎さんの小説『アイネクライネナハトムジーク』の映画が公開、というニュースをネットで見ました。伊坂幸太郎さんは好きな作家さんの一人で、といってもすべての作品を読んでいるわけではないですが、『アヒルと鴨のコインロッカー』や『グラスホッパー』『陽気なギャングの日常と襲撃』など、読んだ作品はどれも面白かったです。

『3652 伊坂幸太郎エッセイ集』は、ほんとたまたま図書館で手にとって、ちょっと借りてみようかなと気軽な感じで読み始めたのですが、『アイネクライネナハトムジーク』の映画公開のニュースをみていて、あれ?偶然だな~、そういえば読みかけの本が1冊あった!と思い出し、あれってタイトルなんだったけ、と本棚を見ると・・・。

『アイネクライネナハトムジーク』ではなく、『バイバイ、ブラックバード』でした。共通しているのはすべてカタカナだけ、積読本溜めすぎですね。ちなみに『アイネクライネナハトムジーク』は未読ですが、情けなくも愛おしい登場人物たちと周囲のひとたちとのめぐり合いの連鎖が描かれた心温まる愛の物語だそうです。『バイバイ、ブラックバード』は・・・これから読みます。

ところでその伊坂幸太郎さんのエッセイには、伊坂幸太郎さんが好きな作品、影響を受けた作家さんの作品など、たくさんの本が紹介されているのですが、紹介の仕方がさすがに作家さん!どれもすごく面白そうで、その中でも打海文三さんの『ぼくの愛したゴウスト』という作品が気になったので、私も早速読んでみました。

読み始めは、私の苦手な少年が主人公のSFファンタジーっぽいのですが、伊坂幸太郎さんの紹介で、単なる少年と幽霊との友情を育むファンタジーではなさそうだ、ということもわかっていたし、ミステリーっぽい展開にどんどん引き込まれていきました。

先の読めない展開から、終盤にかけてはちょっと哲学的な話にもなってきたりで、最後は意外とあっさり終わりはしますが、一度読んだだけでは味わえない奥深さがあると感じました。伊坂幸太郎さんのエッセイを読むまでは、打海文三さんという方を知らなかったのですが、他の作品も読みたくなりました。もうお亡くなりになられている方だそうで、残念です。

『ぼくの愛したゴウスト』がとても面白かったので、伊坂幸太郎さんがおすすめする他の作品も、私の読みたい本リストに追加されることに。ということで、エッセイで紹介されている本の一部をまとめておきます。

愛と悔恨のカーニバル/打海文三
Rの家/打海文三
絵とは何か/坂崎乙郎
青梅雨/永井龍男
THE END/真鍋昌平
A2/森達也 安岡卓治
虹よ、冒涜の虹よ/丸山健二
槿(あさがお)/古井由吉
幻の終わり/キース・ピータースン
叫び声/大江健三郎
薔薇の名前/ウンベルト・エーコ
熱帯/佐藤哲也
駅までの道をおしえて/伊集院静
ぼくのボールが君に届けば/伊集院静
中二階/ニコルソン・ベイカー
ライダー定食/東直己
休憩時間(井伏鱒二全集)/井伏鱒二
十九歳の地図/中上健次
夏、19歳の肖像/島田荘司
19分25秒/引間徹
異邦人/カミュ
ペニス/津原泰水
エドウィン・マルハウス ある作家の生と死/スティーブン・ミルハウザー
栃木リンチ殺人事件/黒木昭雄(他に桶川ストーカー殺人事件・国家の罠)
ボーイズ・オン・ザ・ラン/花沢健吾
イヴの夜/小川勝己
ぬかるんでから/佐藤哲也
一瞬の夏/沢木耕太郎
MISSING/本多孝好
ミノタウロス/佐藤亜紀
殺しのパレード/ローレンス・ブロック
暇つぶしの殺人/赤川次郎
マリオネットの罠/赤川次郎
華麗なる誘拐/西村京太郎
殺しの双曲線/西村京太郎
北の夕鶴2/3の殺人/島田荘司
奇想、天を動かす/島田荘司
幼獣少年キマイラ/夢枕獏
上弦の付きを喰べる獅子/夢枕獏
芽むしり仔撃ち/大江健三郎
ロビンソンの家/打海文三
裸者と裸者/打海文三
愚者と愚者/打海文三
ドリーミング・オブ・ホーム&マザー/打海文三
非現実の王国で/ヘンリー・ダーガー(打海文三のおすすめ)
転生夢現/莫言
フリアとシナリオライター/マリオ・バルガス=リョサ
万物の尺度を求めて/ケン・オールダー
アイの物語/山本弘
ヤイトスエッド/吉村萬壱
独居45/吉村萬壱
バレエ・メカニック/津原泰水
粘膜蜥蜴/飴村行
ラストサムライ/武田幸三
僕の生活散歩/三谷龍二
ピストルズ/阿部和重
炎流れる彼方/船戸与一
さまよえる脳髄/逢坂剛
大英博物館が倒れる/デイヴィッド・ロッジ
殺し屋 最後の仕事/ローレンス・ブロック
龍の子太郎(絵本)
アルカトラズ幻想/島田荘司
めくるめく世界/レイナルド・アレナス
星を継ぐもの/ホーガン
蛇 日本の蛇信仰/吉野裕子
64/横山秀夫
挟み撃ち/後藤明生
御手洗潔のダンス/島田荘司
暗闇坂の人喰いの木/島田荘司
水晶ピラミッド/島田荘司
アトポス/島田荘司
ロシア幽霊軍艦事件/島田荘司
涙流れるままに/島田荘司
羽衣伝説の記憶/島田荘司
都市のトパーズ/島田荘司
消える「水晶特急」/島田荘司
灰の迷宮/島田荘司
選ばれた女/アルベルト・コーエン
イラハイ/佐藤哲也
真夜中の子供たち/サルマン・ラシュディ
緑の家/バルガス=リョサ(パンタレオン大尉と女たち)
取り替え子/大江健三郎
はまむぎ/レーモン・クノー
兵士たちの肉体/パオロ・ジョルダーノ
星籠の海/島田荘司
僕の殺人/太田忠司
美奈の殺人/太田忠司
チューリングの妄想/エドゥムンド・パス・ソルダン

ざっと気になった作品を抜粋してもこれだけ!赤川次郎さんの作品は私も昔かなり読んだなぁととても懐かしく思いました。とくに私も『マリオネットの罠』は好きな作品で、何度か読みましたが、久しぶりにまた読みたいな。

島田荘司さんの『ロシア幽霊軍艦事件』は、私はあまり好みではなかったのですが、映画化された『探偵ミタライの事件簿 星籠の海』や、御手洗潔シリーズ以外の作品も面白そうで、気になりました。吉敷シリーズというのがあることも知らず、『涙流れるまままに』などは、伊坂幸太郎さんが涙が止まらなかったとか。泣ける!という本は泣きづらいってのもよくある話ではありますが、とにかく読んでみたい衝動は高まってます。

他にも映画や音楽などもいろいろ紹介されています。それぞれどういった感じで紹介されているかは、エッセイでご確認ください。

そういえば、私は『ぼくの愛したゴウスト』を単行本で読んだのですが、文庫版では伊坂幸太郎さんが解説されているそうなので、そちらもぜひ読んでみたいです。

では、私はこれからエッセイの中で紹介されていたマイク・ニューウェル監督の映画『狂っちゃいないぜ』(Pushing Tin)を観ます♪