なんとなく観始めたけど、序盤のイライラ、モヤモヤは、そういうことだったのか~で、鑑賞後には感動しました。
映画『彼女がその名を知らない鳥たち』の感想
前回吉高由里子さん主演の映画『ユリゴコロ』を観て、なかなか面白かったので、同じく沼田まほかるさんの小説が原作の映画『彼女がその名を知らない鳥たち』を鑑賞。
映画『彼女がその名を知らない鳥たち』は蒼井優さんと阿部サダヲさんのダブル主演、監督は白石和彌さんです。
私は今回は原作は読まずに、なんの前知識もなく鑑賞しました。
原作を読んでいないから、『ユリゴコロ』や『火天の城』を観たときのように映画と原作を比べることなく、純粋な気持ちで観れたこともあるのか、脚本の力か、ストーリーに引き込まれ、ラストでは感動してウルウルしちゃいました。
そして、阿部サダヲさんの不気味な演技が上手すぎて、阿部サダヲさん演じる陣治が、蒼井優さん演じる十和子の元カレ、黒崎の失踪に関わっているのでは・・・というミスリードに見事に騙されました。
陣治がちょっと不潔すぎてやりすぎ感はありましたが、もしかして原作では陣治が何の取り柄もない野卑で不潔な男というのがもっと重要な要素だったのかな。
映画のストーリー的にはもう少しだけ清潔感はあっても良かったのでは、とも思いましたが、私が浅いだけかなぁ。
他にも陣治はなんでこんな悪態をつく女に尽くすことができるのか?ただのストーカー気質なのか?とかいうモヤモヤも最後の走馬灯的なシーンでスッキリ解消。
『ユリゴコロ』と同様、被害者側のことなどは無視され、加害者側の切ない物語とはなっていますが、創作ならではですし、私は良い映画だなぁと思いました。
竹野内豊さんや松坂桃李さんら主役級イケメン俳優と言われる方たちが、悪役なのも映画ならではの豪華さで良かったです。
とくに松坂桃李さんはいい人役で観ることが多いので、登場序盤のような知的でちょっと影のある雰囲気の人なんだろう・・・なんて思ってたらこちらも見事に騙されました。
ただのクズ男だった(笑)私もイケメンには騙されやすいかもしれないから気をつけよう。
そしてなんといっても、蒼井優さんが素敵でした。『ユリゴコロ』の吉高由里子さんの整った美しさとはまた違う、蒼井優さんの演技の魅力に惹きつけられました。
この作品で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞の受賞も納得です。
最後に、十和子はその後どうなったのだろう、とエンドロール後を期待しましたが、いつもどおり何もなかったです。これはあるあるですけどね。
細かなところも気になるし、思いがけず映画がとても良かったので、沼田まほかるさんの原作も読んでみようと思います。
ちなみにストーリーとは関係ないけど、記憶がないとはいえ、彼の稼ぎに頼って働きもせず、家事もせず毎日を過ごせる十和子のような女性はすごいなと思う。ちょっと羨ましい(笑)
白石和彌監督の作品
白石和彌監督は『彼女がその名を知らない鳥たち』でブルーリボン賞監督賞を受賞、翌年にも『孤狼の血』、『止められるか、俺たちを』、『サニー/32』で同賞を受賞されているそうです。
今回観た『彼女がその名を知らない鳥たち』がとても良かったので、白石和彌監督の他の作品も観たくなり、ネットで検索。
そしたら、前にAmazonで観ていた『凶悪』もあったので、観返してみましたが、やっぱりピエール瀧さんやリリー・フランキーさんの不気味さ、映画そのものの雰囲気が怖かった・・・。
でもこの作品って実際に起きた凶悪殺人事件が元になっているんですよね。事実は小説より奇なりなんていうけど、現実も映画も怖い。
といいつつ、怖いもの見たさもあり・・・で、ちょっと観るつもりが結局また最後まで観てしまった。
他に、公開時に気になっていたけど、結局観ていない『日本で一番悪い奴ら』や『孤狼の血』などがあったので、次に観てみようかなと思ってたけど、Amazonのレビュー観てちょっとビビってます。
特に『孤狼の血』は広島が舞台だったり、松坂桃李さんが出ているので、どんな役なのかとか気になるんだけど、拷問シーンから始まるとかバイオレンス描写がとか書かれていたので・・・保留。
蒼井優さんが出ている『雷桜』か、松坂桃李さんが出ている『娼年』あたりにしようかな。