”イヤミス”に疲れたときにおすすめ!観終わったあとスッキリする感動的な物語です。東野圭吾さんの原作も読みやすく、読後感がほっこりすると人気です。

映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』のあらすじと感想

続けて”イヤミス”と言われる作品を観てしまったあと、出会ったのが東野圭吾さん原作の映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』です。

たまにはこういう作品を観て、人との出会いやつながりを大切にしたいなぁと思うことも大事かな。

映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は、敦也と翔太、幸平の3人が空き家になっている古い雑貨店に忍びこんだことから始まるファンタジーです。こう書き始めると子供向けっぽいけど、大人でも、ファンタジーは苦手な私でも楽しめる作品です。

3人が忍び込んだのは、かつて悩み相談を受けることで知られていた雑貨店だったのです。ちなみに3人が雑貨店のある街を走っているときにタイムスリップ?的な現象がおこりますが、その一瞬のコメディ感はちょっと笑ってしまいました。

それはおいといて、その雑貨店は古い空き家なので自分たち以外誰もいないはずなのに、突然シャッターの郵便口から手紙が落ちてきます。

敦也たちがその手紙を読んでみると、不思議なことに手紙は32年前に書かれた悩み相談でした。3人は戸惑いながらも、その手紙に返事を書いてみます。

すると返事は相談者たちに届き、その手紙によって相談者たちの人生にも影響していきます。そして徐々に敦也たちが育った児童養護施設との関係がわかってきます。

人の行動や、人を思っての行いは、過去や未来を巡り巡って誰かのためになることがある、ということがわかった3人はそれぞれの人生を歩んでいく、という感動的なエンディングです。

三人のリーダー的存在、敦也役のHey! Say! JUMPの山田涼介さんの若者らしい苛立ちの演技がとても上手で、いい意味で憎たらしくてよかったです。

翔太役の村上虹郎さん、幸平役の寛一郎さんと、いわゆる二世タレントさんたちもぴったりな役柄で、今どきの二世タレントさんって実力もしっかりしてるなぁと感じました。

ナミヤ雑貨店の店主役の西田敏行さんは、現在のテレビで観る西田敏行さんのまんまな感じで、ファンタジーな存在なんだけどリアリティもある素敵なおじいちゃんでした。

監督は廣木隆一さんですが、偶然前日に観た映画蒼井優さん、岡田将生さん主演の『雷桜』も廣木隆一監督で、他にも『余命1ヶ月の花嫁』などの感動ものとか『PとJK』『ストロボ・エッジ』などの少女マンガが原作の映画などいろんなジャンルのたくさんのヒット作品があり驚きました。

原作は東野圭吾さんの小説です。東野圭吾さんの作品はたくさん映像化されていますが、今まで観たものはどれも面白いので安心して観れます。この記事を書きながらも、またあれ観たいなぁと思い浮かぶものがたくさんあって困る・・・。

仕掛けも巧く心が温かくなると人気の原作

東野圭吾さんの小説『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は、月刊誌『小説 野性時代』で2011年4月号から2011年12月号まで連載された作品です。

原作は、1章から5章にわかれそれぞれが完結しているオムニバス形式ですが、連作風につながっていて最後の章と最初の章がつながって長編ともいえる物語です。

私は映画から観て、とても良かったので原作にも興味をもちました。ファンタジーはあまり読まないのですが、東野圭吾さんなら読んでみようかな、と。

というのも、東野圭吾さんの作品では、『どちらかが彼女を殺した』とか『名探偵の掟』『犯人のいない殺人の夜』など読んでいて、どちらかというとミステリー作家さんのイメージがあるからです。

一時期東野圭吾さんの小説にハマっていた時期もあったし、ミステリー好きとしてはとっつきやすいかな、と。

映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』を観て、そういえば東野圭吾さんの作品って『秘密』とか『容疑者Xの献身』、阿部寛さん主演の映画、加賀恭一郎シリーズ『麒麟の翼』、『祈りの幕が下りる時』など、単なるミステリーではなく、濃厚なヒューマンドラマが描かれた作品もとてもたくさんあるなぁ、と改めて思いました。

映画『容疑者Xの献身』『麒麟の翼』『祈りの幕が下りる時』はまだ観ていないかたにはぜひとも観てもらいたいおすすめの作品です。

『祈りの幕が下りる時』は1回目に観たときはちょっと難しかったけど、2回目に観たときには本当に感動しました。私は3作とも原作はまだ読んでいませんが、今の積読が減り次第購入予定。

『放課後』で江戸川乱歩賞受賞、『秘密』で日本推理作家協会賞(長編部門)受賞、『容疑者Xの献身』で直木賞、本格ミステリ大賞(小説部門)受賞、『流星の絆』で新風賞受賞、『夢幻花』で柴田錬三郎賞受賞、『祈りの幕が下りる時』で吉川英治文学賞受賞と、受賞作を追っかけて読むのも大変な作家さんの一人です。

映画は観たけど原作は読んでいない作品も多くて、東野圭吾さんの小説は読みやすいとはいえ、どれから読もうか迷ってしまいます。

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』も中央公論文芸賞受賞作です。