映画「東京喰種 トーキョーグール」のあらすじ

人間と同じような姿かたちをし、人間世界に紛れて暮らす喰種(グール)という生き物が存在する街、東京。彼らの正体は、水とコーヒー以外で食べることができるのは人間の体のみ、という怪物だった。

そんな喰種も暮らす街で、ある日、読書好きの大学生、金木研(カネキ)は、親友のヒデと、「あんてぃく」というカフェで話をしていた。

二人の目当は、そのカフェで出会った女性・神代利世(リゼ)で、カネキにとって、リゼは気になる女性だった。引っ込み思案のカネキに、ヒデが今日こそリゼをデートに誘うようにとけしかけていると、リゼが来店する。ヒデがちょっかいを出し、カネキは持っていたお気に入りの本を落としてしまうが、その本がきっかけでリゼとデートをすることになる。

二人で夜の公園を散歩していると、リゼが積極的にカネキを抱きしめ、カネキも照れながらリゼの背中に腕を回し抱きしめようとする。すると、突然リゼがカネキの肩を喰いちぎった。

実はリゼは仲間たちからは大食いとも呼ばれる喰種だったのだ。目を赤くし、血まみれの口で「美味しい」と叫ぶリゼに、怯え逃げ回るカネキ。しかし喰種の本性を現したリゼに襲われ、カネキは瀕死の状態に陥る。

そのとき、リゼの頭上から偶然工事現場のクレーンで釣られていた鉄骨が落下してきて、リゼは下敷きになり、カネキもその場で意識を失った。

カネキが目を覚ますと病院のベッドの上で、そこに現れた医師がカネキに、「すべて上手くいった」と告げる。カネキはTVを観て、医師がカネキの命を救うため無断で臓器移植をしたことを知る。

一方、喰種の駆逐をする人間の組織、喰種対策局CCGの捜査官、真戸と部下の亜門は人間を襲った笛口の妻リョーコと娘のヒナミの親子を追っていた。

カネキは今まで食べていた食事を受け付けなくなり動揺する。何を口にしても吐き出してしまい、喰種の姿をしたリゼの幻に襲われたり、自分の目がリゼと同じく赤くなっていることに気づいて愕然とする。そして、空腹で街をさまよっていると食欲が掻き立てられる匂いにつられ向かった先に、人の肉を食べている喰種の姿があった。

そのとき、カネキの前にトーカがあらわれ、トーカから人の肉を勧められるが、カネキはそこから逃げ出す。リゼから臓器を移植された結果、カネキは半喰種になってしまったのだった。カネキは空腹を我慢しつつけたがそれにも限界があった。

そこでカネキはトーカのもとへ行き、助けを求める。トーカは喫茶店あんていくの従業員で、カネキはあんていくの店長、芳村に出会う。

肉を食べて生きるかの苦悩と葛藤の日々が始まり、カネキは家に閉じこもっていたが、ある日、ヒデに大学のサークルの先輩、西尾を紹介される。しかし、西尾は以前街で見かけた喰種で、突然ヒデに襲いかかる。

カネキはヒデを助けようとするが、西尾の赫子(カグネ)に歯が立たない。そのとき瀕死のヒデがカネキを助けようと手を伸ばす。ヒデにトドメを刺そうとする西尾に怒ったカネキの背中からリゼが持っていたものと同じ赫子が伸び、西尾を襲った。西尾は消え、ヒデの命は助かったが、無意識にヒデを食べようとした自分に喰種であることを自覚したカネキはヒデとは距離をおいた。

カネキはあんてぃくでバイトを始め、喰種も人間と同じように暮らし、守るべき家族や大切な友人がいること知る。実はあんてぃくは喰種の集まる場所で、店長やトーカをはじめ、アルバイトはみんな喰種で、出入りする客も喰種だった。トーカとも少しずつ打ち解けていき、常連の笛口親子とも仲良くなる。

笛口リョーコは温厚な性格で、人を狩ることが出来ないため、あんていくから食糧を受け取る生活をしていた。しかしいつまでも甘えるわけにもいかず、他の区へと移動しようとしていた。

ところが真戸と亜門は、笛口親子を追い込み、娘のヒナミの目の前で、リョーコの夫の赫子から作られた兵器で母リョーコを殺した。現場でヒナミと一緒にいたカネキは、ヒナミを連れてその場から逃げ出すことで精一杯だった。

ヒナミの両親がCCGに殺されたことで、トーカは怒り、真戸たちと戦うことを決意する。そしてトーカはCCGの捜査官草場を襲撃するが、そこに現れた真戸の反撃にあい怪我を負う。カネキは半喰種でもある自分を知るためにも戦うことを決め、トーカと訓練を始める。

CCGの真戸は母親リョーコの右手を罠にして娘のヒナミを誘い出す。
その罠にはまったヒナミを真戸は追い詰めるが、そこにトーカが現れる。

一方カネキは、 CCGの亜門が乗った車を襲撃し、亜門に戦いを挑む。亜門も生体兵器を使って応戦するがカネキが亜門を追い込む。そしてトドメを刺そうとしたとき、亜門の流した血の溜まりに映った喰種の自身の姿を見て、我に返る。そして自分の運命に涙を流し、トーカの元へ向かった。

河原のトーカは、苦戦していた。真戸はトーカに留めをさすためにリョーコの甲赫を生体兵器として手にした。

母親が生体兵器にされたのを見たヒナミは発狂し、喰種として覚醒し真戸に襲い掛かり、彼の腕などを切断。

瀕死の重傷のトーカは、ヒナミに留めを刺すように言うが、ヒナミにはできず、トーカが身体を引きづりながらも真戸を殺した。

そして戦いを終えたカネキは、トーカとヒナミの元へやってきて、トーカに手を差し伸べた。

喰種たちは次なるCCGの追っ手の気配を感じつつ、物語は終わる。

漫画が原作の映画

映画「東京喰種 トーキョーグール」は、2017年公開の日本の映画です。世界29か国でも公開され今なお増えつづけている作品です。2019年には続編も公開されます。

原作は「週刊ヤングジャンプ」で連載の石田スイの人気漫画「東京喰種 トーキョーグール」です。2011年41号より「東京喰種トーキョーグール」が連載開始され、2014年42号で連載は終了しています。46号から続編である「東京喰種トーキョーグール:re」の連載が開始され、2018年31号まで続いていました。

監督は、ソフトバンクやコカコーラ、トヨタなどの企業のCMや、MV、ショートフィルムの演出を多数手がける萩原健太郎さんです。

脚本は放送作家の楠野一郎さんです。2015年公開の堤幸彦監督の映画「天空の蜂」でも脚本を担当されています。

主人公で、半喰種の金木研(カネキ)役は、窪田正孝さんです。映画「ふがいない僕は空を見た」のレビューでも紹介しましたが、NHK連続テレビ小説「花子とアン」や山下智久さん主演のドラマ「アルジャーノンに花束を」、ドラマ「デスノート」など数々のドラマや映画に出演している演技派として人気の俳優です。

ヒロインの霧嶋董香(トーカ)役は、清水富美加さん(今は千眼美子?)です。・・・以上です。

CCG捜査官で喰種の駆逐を使命とする不気味な男、真戸呉緒役はTEAM NACSの大泉洋さん、真戸のパートナーの捜査官、亜門鋼太朗役は劇団EXILEの鈴木伸之さん、トーカに襲われ死亡する捜査官草場役は前野朋哉さんです。

カネキが半喰種となった原因を作った神代利世(リゼ)役は、蒼井優さん、あんてぃくの店長芳村役は村井國男さん、笛口雛実役は桜田ひよりさん、雛実の母親、笛口リョーコ役は相田翔子さんです。

他、主な出演者として、カネキの親友ヒデ役は超特急の小笠原海さん、ヒデやカネキの大学の先輩で喰種の西尾錦役は白石隼也さん、四方蓮示役は柳俊太郎さん、マスク職人のウタ役は坂東巳之助さん、あんてぃくの店員役で佐々木希さん、浜野謙太さん、喰種研究家の男性役でダンカンさんなどが出演されています。

原作ファンのレビューは手厳しいようです

この映画は公開時にも映画館で観たのですが、あらためて観るとオープニングのシーンでトーカが訝しげにカネキやリゼを見ていたり、リゼが「みんなから大食いと言われる」と話しているシーンの意味が見えてきて面白かったです。

それにしても窪田正孝さんの演技はとても上手いですね。TVドラマだとちょっと大げさすぎるなぁと思うこともあるけど、この映画ではハマっていたように思います。最後の戦闘シーンではやりすぎ感も多少感じましたが。

トーカ役の清水富美加さんもとてもいい感じだっただけに、「東京喰種」も影響があったとか、例のいろいろな出来事はとても残念です。

私は原作を読んでいないので、それぞれのキャラクターのことを知らなかったので、最初に大泉洋さんのビジュアルを観たとき、お笑い担当なのかと思ってしまいましたが、不気味な人の役だったんですね。でもバラエティ番組の印象が強すぎて、どうしても大泉洋さんが出てくるシーンだけは、コメディを観ているかのような気持ちになりました。とはいえ、この映画は多少グロかったり、怖い話だったりするのでバランスが取れてよかったのかな。

他の俳優さんたちやCGもそれなりに良かったような気がしますが、後半のカネキと亜門の戦闘シーンはイマイチだったかな、と思いました。鈴木伸之さんの演技なのか、CGの完成度なのか、持っていた武器のせいなのか、せっかくのシーンなのにあまり迫力がなかったです。

とはいえ、続編も公開が決定し、どんなストーリーなのか楽しみです。原作ファンの方は、批判的な意見もあるため、私はまずは映画だけ楽しもうかな、と思ってます。主演は窪田正孝さんの続投、ヒロインのトーカ役は清水富美加さん(今は名前が違うのか)に代わって山本舞香さん、初登場の月山は松田翔太さんが演じるそうです。山本舞香さんのトーカも楽しみです。