日本人女性とのわずか4日間の結婚が話題のニコラス・ケイジ。お相手の女性、メイクアップアーティストのエリカ・コイケさんから扶養手当を求める訴えを起こされているそうですが、映画『NEXT -ネクスト-』の主人公・クリスの能力があったなら、こんなことにはならなかったでしょうね・・・。

ということで、今回は映画『NEXT -ネクスト-』のあらすじ紹介&レビューです。

『NEXT -ネクスト-』のあらすじ

ラスベガスでマジックショーをするさえないマジシャン、クリス・ジョンソン。実は彼は自分に関わる2分先の未来が見える特殊能力を持っていた。

しかし、その能力をひけらかすことなく、簡単なマジックで稼ぎ、そのお金で能力を使い、カジノで目立たない程度に稼いでいた。

カジノの警備主任、ロイバルは、クリスがトリックを使ってイカサマをしていると疑う。しかし疑われていることも、未来の見えるクリスにはわかっていた。

面倒になる前に換金しようとするが、そこに男が近づいてくる。クリスはその男が銃を使って強盗をすることを予知し、銃を出す前に捕らえる。

騒ぎになり警備員達が追いかけてくるが、クリスは追手の動きを予知しながらその場から逃げだす。

ロイバルの元にFBIの女性捜査官、フェリスが事情を聞きに来る。フェリスは、クリスを予知能力者だと考え監視していたのだった。

FBIはロシアから盗まれた核爆弾がアメリカに持ち込まれているという事件を捜査していた。そこでフェリスは、その事件の捜査のために、クリスの協力を得ようとしていたのだ。

しかし上司は、クリスに予知能力があるというフェリスの言うことを信じず、盗まれた核弾頭の行方を追う事に集中するように言われるが、フェリスが食い下がり、5日間のみクリスに関わってもいいと許可がおりる。

カジノから逃げだし、自宅に戻ったクリスだったが、そこにフェリスがやって来ることを予知する。

フェリスは、クリスが予知能力者であることは判っているといい、ロシアの核弾頭が盗まれた話をし、協力を求める。しかし、クリスには幼い頃にカウンセリングを受けさせられたり、実験台にされたりと嫌な思い出しかなかった。そして、フェリスに、拒否するなら逮捕する、と言われたところまでを予知したクリスは、実際にフェリスがやってくる前に逃げ出した。

クリスはレストランで女性を待ち続けていた。8時9分に彼女と出会うことだけは、なぜか2分以上先でも分かっていたので、毎日レストランで待っていたのだ。

そして、8時9分、ついにその女性が姿を現す。クリスは、その女性、リズに声をかけようと未来を予知します。レストランにはリズのストーカーもやってくるが、クリスの予知でリズを助け、リズの車で送ってもらえることになる。

先住民達の子供達の教師をしているリズは、クリスを送る途中、生徒たちのもとを訪れる。その後、大雨で道路が封鎖されて、2人は近くのモーテルに泊まる事にし、そして2人はお互いに惹かれ合い結ばれる。

核弾頭を盗んだ犯人グループの手がかりを突き止められないFBIは、どうしてもクリスの協力を必要とし、クリスを追い、2人のいるモーテルを突き止める。

フェリスはカジノの防犯カメラの映像から、クリスは2分先の未来を見ることができる、という結論に達していた。

そして、食料を買いに出たリズに近づき、クリスのことを妄想癖のある危険な男だと話し、睡眠薬を飲ませて欲しいと依頼する。

モーテルに戻ったリズは飲み物に薬を入れたが、我に返り、クリスに正直に全てを話す。クリスも未来が見える能力をリズに証明し、FBIからリズを逃がすことにする。

クリスは自分がおとりとなっている間に、リズに車や材木を谷に落としてもらう。クリスは走って崖を降りて行き、フェリス達が追う。

クリスは予知で材木や車を避けながら逃げていたが、下敷きになりかけたフェリスを助け、FBIに捕まってしまう。一方リズは、核爆弾を盗んだ犯人グループに捕まってしまう。

FBIはクリスに強引にニュースを見せ、核爆弾の位置を特定させようとする。そのニュース映像から、クリスはリズの体に爆弾を巻きつけられ、殺される映像を予知してしまう。

クリスはリズを助けるために、2時間後に彼女が殺されるとフェリスに言い、FBIから抜け出して現場に向かう。

フェリスたちも協力し、犯人グループを探しに行き、倉庫から出てくる犯人たちを大勢の部隊で取り囲む。犯人たちはリズを連れ、船の中に逃げ込む。船の中は罠が仕掛けられていたが、クリスの予知能力で突破していく。

追い詰められた犯人は、クリスを銃で狙うが、撃たれる先が分かるクリスには当たらなかった。そしてリズを助けだし、犯人は射殺され、リズに仕掛けられていた爆弾も解除された。

しかし、まだ核爆弾は見つかっていなかった。フェリスはクリスに見つけてもらうために地図を差し出す。クリスが何かがおかしいと思い始めた矢先、核爆発によって全員死亡する。

しかし、それはクリスの予知で、場面はリズと結ばれた朝のモーテルに戻る。そして、クリスはそれまでの予知をもとに、フェリスに協力することを申し出るのだった。

フィリップ・K・ディックの短篇小説が原作

映画『NEXT -ネクスト-』は、アメリカのSF作家、フィリップ・K・ディックの短篇小説『ゴールデン・マン』が原作です。

フィリップ・K・ディックといえば、『ブレードランナー』や『マイノリティ・リポート』の原作者としても有名です。フィリップ・K・ディックのことを解説すると、それだけで長くなるので別の機会にしますが、多くの作家や映画製作に影響を与えた人物です。

と知ったがぶりに話していますが、私がフィリップ・K・ディックを知ったのは、アマゾンプライムの「フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズ」という、全10話のSFドラマシリーズです。まだ1話しか観ていませんが、私には難しい世界観だな~と思い、面白そうだけど、時間があるときじっくり観よう、とそのままになっています。

そして、この映画『NEXT -ネクスト-』の原作者だと知り、さらに『ブレードランナー』や『マイノリティ・リポート』もそうだったのか~と、納得。たしかに世界観が共通しているかも。

監督は『007 ダイ・アナザー・デイ』のリー・タマホリです。リー・タマホリは、ニュージーランド出身の映画監督ですが、大島渚監督の『戦場のメリークリスマス』で助監督を務めているそうです。

主人公のクリス・ジョンソンは、ニコラス・ケイジです。映画監督、フランシス・フォード・コッポラの甥であることは有名で、ニコラス・ケイジの本名もニコラス・キム・コッポラだそうです。

1995年には『リービング・ラスベガス』でアカデミー主演男優賞を受賞していますが、その後はゴールデンラズベリー賞ノミネートが続き、以降、わずか4日間の結婚などプラベートな話題はたまにニュースになりますが、主な映画賞とは縁がないようです。

そして、なぜかニコラス・ケイジと恋に落ちる・・・違った、クリス・ジョンソンと惹かれ合う女性リズを演じるのは、アメリカの女優、ジェシカ・ビールです。2003年の映画『テキサス・チェーンソー』で、エリン役を演じている女性です。

FBIの女性捜査官、カリー・フェリスを演じたのはジュリアン・ムーアです。ジュリアン・ムーアについては映画『フライト・ゲーム』の記事でも紹介しましたが、映画『アリスのままで』で、アカデミー主演女優賞を受賞しているアメリカの女優です。

この『NEXT -ネクスト-』は『アリスのままで』よりも前の作品ですが、それにしてもFBIの捜査官にしては、キレがないというか、あまり銃を持って走り回る姿は似合わないような気もしました。原作がどうか知りませんが、そもそも捜査官が女性でなくても良かったのでは?とも感じました。ジュリアン・ムーアだったからそう感じたのかもしれませんが。

ニコラス・ケイジが気になって・・・

2分先が予知できる男の話ですが、こういうストーリーって、深く考えると混乱してしまうので、アクション映画だと思って気軽に観るのがおすすめです。というか、私の頭では、ですが。

それにしても、この映画の一番不思議なところは、クリスとリズが恋に落ちることです。たとえばクリスがイケメンならわかるんですけど、出会ってすぐにニコラス・ケイジと恋に落ちます?だいぶ失礼ではありますが、怪しすぎるでしょう。

個人の主観ではありますが、この作品に限らず、ニコラス・ケイジが出ていると、どんなシリアスなシーンでも、なんかストーリーに集中できないんですよねぇ。演技がうまいとか下手とか、そんなのすら関係なく、ただただ顔に目がいってしまって。ああ、これがニコラス・ケイジでなければ、とても感動するのに・・・って『シティ・オブ・エンジェル』を観たときに思った気がします。

でも、ふと思ったけど、そんなにニコラス・ケイジが出てる映画観てたっけ?最近で観た記憶があるのは『マッチスティック・メン』だけど、他は記憶にあるのは『フェイス/オフ』くらい。それだけ『シティ・オブ・エンジェル』でのインパクトが強かったのかなぁ。

って、ニコラス・ケイジのことばかりで、映画のストーリーの感想に触れていませんが、そうですね、この映画の感想は、2分先の未来が見える予知能力者とFBIがテロリストを捕まえるために協力するんだ~、で、今までのストーリーは結局なかったってことなのね、です。スピード感のある展開で、飽きることのなく観れましたが、ラストがちょっと物足りなかったです。

映画の最後には、エンドロールが逆から流れる、という仕掛けがあるので、その後に何かあるのか・・・と期待してしまっただけに、もったいな~い!とツッコミたくなりました。「ツッコミどころ満載の典型的B級アクション」と批評されている方もいらっしゃいましたが、まさにそんな感じでした。

とはいえ、ラブ・ロマンスとサスペンスとSF要素が綺麗にまとまっている、というレビューや、ニコラスのカッコよさに酔う映画、という方までいらっしゃったので、1時間35分ほどで観れるし、暇つぶしにちょっと軽めの映画を観たいな~ってときには、おすすめです。ニコラス・ケイジが大丈夫なら。ほんと、人の好みって様々ですね。わたしも安心して生きられます。