ナイスガイズのあらすじ

1977年、アメリカカリフォルニア州ロサンゼルス。一人の少年が、こっそり親のポルノ雑誌を盗み見していたら、突然家に車が飛び込んで来る。少年がその車に近寄ると、裸の女性が血を流して倒れていた。女性は少年に一言つぶやき息をひきとる。その女性は少年が見ていたポルノ雑誌のグラビアのモデル、ミスティ・マウンテンズだった。

シングルファザーのマーチは、娘のホリーと二人暮らしで、ロサンゼルスで私立探偵として働いていた。マーチは、老女に依頼された仕事の関係でアメリアという女性を捜索していたのだが、ある日突然男が家にやってきて、「アメリアを捜すのをやめろ」と忠告を受け、襲われる。男は元海軍の示談屋、ヒーリーで、アメリア本人から依頼され、マーチにアメリアの捜索をやめさせるために襲ったのだった。

捜索中の怪我やヒーリーに襲われて傷だらけのマーチは、そもそもの仕事の依頼人、リリー・グレンという老女のもとを訪れる。グレンは姪のミスティ・マウンテンズを探してほしいとマーチに依頼していた。ミスティは亡くなったと報道されていたが、グレンは確かに姪を見たと言う。マーチは「あなたが姪だと思ったのはアメリアという女性だ」と言うが、グレンは、「アメリアと話をしてみたい」と言い、捜索を断ろうとするマーチに小切手をチラつかす。

一方、示談屋ヒーリーは、家に帰ったところを二人組の男に襲われる。男たちは、アメリアのことを何か知っているだろうとヒーリーを問い詰め、撃ち合いになる。ヒーリーはなんとか脱出するが、身の危険を感じたヒーリーは、アメリアが追われている理由が気になり、再びマーチのもとを訪ね、アメリアを探すためにお前を雇いたいとマーチに400ドルを提示した。お金に目がくらみ、依頼を受けることにしたマーチは、自分がアメリアを探している理由をヒーリーに話す。

そしてマーチとヒーリーは、アメリアがいると思われるアメリア主催の大気汚染の抗議デモ活動中の若者たちのもとへ行く。デモ参加者の若者から聞き出した話によると、3日前にアメリアのボーイフレンドのディーンが死んだらしい。そして映写技師の青年がディーンの家を案内してくれた。

ディーンの家は火事で全焼していた。ディーンは映画を作っていて、家に置いてあった大量のフィルムに引火して焼け死んだということだった。そして偶然近くにいた近所の子どもに、ディーンが最近撮っていた映画にはミスティという女が出ていたこと、シド・シャタックという男がプロデューサーだということ聞く。

マーチとヒーリーはプロデューサーのシド・シャタックに会うため彼の家に出向くと、そこには大勢の人がいて、豪勢なパーティーの真っ最中だった。二人はパーティーに潜入しますが、実はこっそりマーチの娘ホリーも車のトランクに隠れてついてきていた。マーチとヒーリーは別々に捜索することになり、ヒーリーはシドの部屋に入ってみると、壁にはストライプのブレザーがけられていて、ミスティと名札がついていた。

マーチは酒に酔っ払って、バルコニーから転落。その拍子に持っていた拳銃を落としてしまう。拳銃を探していると、そこに女性がいたので、声をかけるとその女性は逃げて行った。拳銃をみつけひと休みしていたマーチは男の死体を発見し、驚いてヒーリーを呼ぶ。その死体の男はシド・シャタックだった。拳銃を探しているところを女性に見られていたので、マーチは自分が疑われると思い、ヒーリーとともにあわてて会場から逃げ出そうとする。

そのころ、二人についてきていたマーチの娘ホリーは、女性から声をかけられ「アメリアを探しているのなら会わせてあげる」を言われ、案内された車に乗りむ。すると車の中にはヒーリーの家でヒーリーと揉め、顔が青く染まってしまった男がいた。そして青い顔の男はアメリアを見つけて、撃とうとするが、ホリーがアメリアを救い、一緒に逃げ出す。

ヒーリーは家で争ったもうひとりの男と出くわし、格闘の末、男を倒す。ホリーが車に乗っていると知ったマーチは、近くにあった車に乗り込んで救出に向かうが、男に発砲され、車が木に激突してしまう。

ホリーとアメリアを追ってきた男は、通りかかった車にはねられてしまう。アメリアは逃げるが、ホリーは男を置いてはいけない、と助けるために引き返し、そこにやってきたヒーリーに助けを呼んでくるようにという指示でその場を離れる。ホリーがいなくなるとヒーリーは、「ジョン・ボーイという男がやってくる」と言い残した男の首を締めて殺した。戻ってきたホリーは、ヒーリーが男を殺したのではないかと疑っていたが、そこへやっとマーチがやってきた。

その後、警察の取り調べを受けた二人に司法省のタリーという女性が声をかけてきて、アメリアの母親ジュディスと面会することになる。

ジュディスは、カリフォルニア州の司法長官で、自動車会社の排ガス規制の訴訟とポルノ規制を担当していた。二人は、ジュディスから、アメリアが母親と自動車業界が裏で繋がっていると思い込んでいて、だから自分に反抗的なのだ、と聞かされる。そして関係者が次々に死んでいることから、高額の報酬を提示しヒーリーとマーチに娘を守って欲しいと依頼してきた。

アメリアがパーティー会場に残していたメモから、なんとかアメリアの居場所を見つけ出す。そこでは殺し屋たちとアメリアを警護していた人たちによる銃撃戦が繰り広げられていた。マーチとヒーリーは車に乗っていたが、逃げ出してきたアメリアをマーチの家に保護した。

アメリアは、母親が自動車業界と裏で繋がっていて、排ガス規制の訴訟も証拠不十分で不起訴にするつもりなのだと言う。母親は権力者で、警察やマスコミはあてにならないので、世間の注目を集めて母親や自動車業界を批判するために、アメリアはディーン、シドとともにポルノ映画を製作したのだった。そしてそれが母親にバレてしまったために、次々と仲間が殺されてしまったのだ、と話した。

司法省のタリーから呼び出され、マーチとヒーリーが不在のとき、アメリアとホリー、ホリーの友達が家いるところに、医師だと名乗る男がやってくる。その男こそジョン・ボーイだった。呼び出されたのは罠だと気づいたマーチとヒーリーは家に戻ってホリーを助けるが、家を抜け出したアメリアはジョン・ボーイに拳銃で打たれて殺されてしまう。

マーチとヒーリーは、再びグレンに話を聞きに行く。グレンは青いストライプのブレザーを着ていた姪を確かに見たと話す。ヒーリーはシドの部屋でその服、映画の衣装を見たのを思い出す。そしてマーチが隠された映写機を見つける。グレンが観たのはスクリーンに映された映画の中の姪だった。そしてあるモーターショーで映画が上映されることを知る。

モーターショーの会場に行くと、前にマーチたちを火事の現場に案内してくれた映写技師がゴミ捨て場に倒れていた。ジョン・ボーイに殴られたのだった。ヒーリーが映写技師にフィルムの場所を聞くと、今まわっている映写機のフィルムにつなげたと言う。

そして会場に流れていた映像がポルノに変わり、会場の客はスクリーンを観て驚く。そのときジョン・ボーイが映写機に向かって発砲を始め、銃撃戦となる。フィルムの奪い合いとなるが、なんとか最後にはマーチがフィルムを確保する。ヒーリーは、ジョン・ボーイをつかまえ、気絶させる。

その後、警察の取り調べを受けたマーチとヒーリーのもとにアメリアの母親がやってきて、デトロイトの自動車産業は決して潰れないと言う。母親の言うとおり、自動車会社の排気ガス訴訟は不起訴になるが、今回の事件は一応解決した。

エンディング。マーチはヒーリーに一枚の紙切れをみせる。それはマーチとヒーリーの似顔絵がはいった探偵事務所の広告だった。

ラッセル・クロウとライアン・ゴズリングのコンビが活躍する映画

ナイスガイズ!(The Nice Guys)は、2016年アメリカ公開のアクションコメディ映画です。監督 ・脚本は「リーサル・ウェポン」の脚本も手がけたアメリカの脚本家、俳優、映画監督シェーン・ブラックです。俳優としては「プレデター」や「ロボコップ3」などに出演しています。2013年にはジョン・ファヴローが降板した「アイアンマン3」の監督もしています。

シングルファーザーの探偵、ホランド・マーチ役はカナダの俳優でミュージシャンでもあるライアン・ゴズリングです。子役として活躍し、「きみに読む物語」で注目され、2006年の「ハーフネルソン」でアカデミー主演男優賞にノミネートされています。その後も数々の映画に出演し評価され2016年「ラ・ラ・ランド」でゴールデングローブ賞映画部門主演男優賞を受賞し、2度目のオスカーにもノミネートされています。

暴力的な示談屋ジャクソン・ヒーリー役はニュージーランド出身の俳優ラッセル・クロウです。ラッセル・クロウは2000年公開の映画「グラディエーター」でアカデミー主演男優賞を受賞。2001年「ビューティフル・マインド」でゴールデングローブ賞主演男優賞(ドラマ部門)を受賞しています。

マーチの娘ホリー・マーチ役の女の子はオーストラリアの女優アンガーリー・ライスです。2017年の映画「スパイダーマン:ホームカミング」や「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」などにも出演しています。

次回作に期待したい

1970年代のアメリカが舞台の映画で、その当時のアメリカ、自動車産業のことなどに詳しい人はより楽しめるのではないかな、という感じの映画です。

ライアン・ゴズリング演じるマーチのちょっとマヌケな探偵で笑いを取ろうとしているのはわかりやすい設定だけど、その割にドジぶりがちょっと中途半端な感想を持ちました。最初の手を怪我するシーンは笑えましたが、後半もっと振り切っていたらもっと素直に笑えたかな、と思います。

多少アメリアの行動にイライラしましたが、殺されるために必要な行動パターンだったのかな、と受け入れることにしました。それに比べてホリーやしっかりしていて、人にも優しいという完璧な子でしたね。ちょっと怖いもの知らずなところはヒヤヒヤしましたが。

オープニングの車が家に突っ込んで来るところは、びっくりして今後の展開にワクワクしたのですが、最後まで観たあとは、う~ん面白かったのか?という感じでした。全体的になんとなく物足りなさを感じたのですが、シリーズ化していきそうなエンディングだったので、はじまりの物語、ドラマの第1話のような映画としてはアリかなと思います。ナイスガイズの二人のキャラクターがどんどんストーリーにハマっていきそうなので、次回作があればぜひ観たいです。