原作を読んだ人には、まったくの別物として楽しむことをおすすめします♪
映画「火天の城」を鑑賞
歴史小説は読んだことなく、原作は途中まで読んで挫折していたのですが、Amazonプライムで無料で観ることができたので、まずは映画であらすじを楽しむことにしたのですが・・・。
2009年の映画で、俳優の一人として山本太郎さんが出てることにちょっとソワソワしましたが、世界観に引き込まれそうないいシーンから始まりました。
が、物語が進むにつれ、あれ?こんな話だったっけ、と思わず本を開きました。
途中までしか読んでいないですが、原作では父と子の葛藤とか面白いところなのですが、映画ではそこが描かれていなくて残念でした。
主人公の西田敏行さんも良かったのですが、原作の主人公とは印象が違い、そこから原作とはどんどん離れていってる感じがしました。
また地鎮祭での出来事は当然描かれていると思って勝手に楽しみにけど、そのシーンもなく「火天の城」というタイトルは置いてきぼりな感じも多少感じました。
映画では、蛇石を動かす際にちょっとした爆発が起こり、突然の忍者によるアクロバットな暗殺未遂や、ちょこちょこ出てくる芸人さんなど、ところどころコントっぽいところがあります。
水野美紀さんが実は・・・ってのは面白かっただけに、せっかくのストーリーがもったいなかったです。
また、原作にはいなかったヒロインがいて、しかもかなり現代人っぽい振る舞いだったため、少々時代劇な雰囲気は軽めに感じました。
逆に陰で支え、どんなにつらくても笑顔で生きる女性のけなげさ、強さなどの描き方は時代劇っぽかったです。
コントっぽい演出とコミカルな演出ってのは違う気がして、またシリアスなシーンとのバランスで名作になるか否かが決まるように思いました。
もちろんどの作品が名作かどうかは人それぞれですが。
冒頭部分はなんだか面白そうな予感だと思ったのですが、後半にいくにつれ、面白くないわけじゃないけど、ほんとにこんな印象のままでいいのか?と改めて原作を最後まで読みたくなりました。
松本清張賞ってどんな作品が選ばれる?
ところで歴史小説を読んだことがない私がこの本を購入したのは、本の裏表紙に”松本清張賞受賞”と書かれていたからなのですが、
歴史小説とはいえ、殺人事件などが起こったりするミステリーだと思ってたら全然違ったので、松本清張賞っていったいどんな作品が選ばえる賞なのだろうと疑問に思い調べてみました。
すると、松本清張賞の受賞対象は「ジャンルを問わない広義のエンタテインメント小説」ということでした。
細かくいうと、1994年の第1回から第5回(1998年)までは短編を、1999年の第6回からは長篇作品を募集しています。
最初は「広義の推理小説又は、歴史・時代小説」を対象にしていたそうですが、2004年の第11回以降は「ジャンルを問わぬ良質の長篇エンターテインメント小説」を対象としているそうです。
【過去の受賞作】
第1回(1994年度)「(またぎ)物見隊顛末」葉治英哉
第2回(1995年度)受賞作なし
第3回(1996年度)「長安牡丹花異聞」森福都
第4回(1997年度)「マリ子の肖像」村雨貞郎
第5回(1998年度)「陰の季節」横山秀夫
第6回(1999年度)「芳年冥府彷徨」島村匠
第7回(2000年度)「輪(RINKAI)廻」明野照葉
第8回(2001年度)「群蝶の空」三咲光郎
第9回(2002年度)「ひとは化けもんわれも化けもん」山本音也
第10回(2003年度)「月ノ浦惣庄公事置書」岩井三四二
第11回(2004年度)「火天の城」山本兼一
第12回(2005年度)「一枚摺屋」城野隆
第13回(2006年度)「一応の推定」広川純
第14回(2007年度)「銀漢の賦」葉室麟
第15回(2008年度)「一朝の夢」梶よう子
第16回(2009年度)「アダマースの饗宴」牧村一人
第17回(2010年度)「マルガリータ」村木嵐
第18回(2011年度)「白樫の樹の下で」青山文平
第19回(2012年度)「烏に単は似合わない」阿部智里
第20回(2013年度)「月下上海」山口恵以子
第21回(2014年度)「推定脅威」未須本有生
第22回(2015年度)「屋上のウインドノーツ」額賀澪
第23回(2016年度)「待ってよ」蜂須賀敬明
第24回(2017年度)「明治乙女物語」滝沢志郎
第25回(2018年度)「天地に燦たり」川越宗一
第26回(2019年度)「明治大阪へぼ侍 西南戦役遊撃壮兵実記」坂上泉
タイトルのイメージですが、意外と歴史小説が多そうですね。昔、「点と線」だったか何かは読んだことはあったと思うけど、松本清張といえば2時間ドラマ!だったので、改めて小説も読んでみたくなりました。