飛鳥部勝則さん『堕天使拷問刑』読了

飛鳥部勝則さんのミステリー小説『堕天使拷問刑』(2008年)を読み終えました。飛鳥部勝則さんは1998年『殉教カテリナ車輪』で第9回鮎川哲也賞を受賞されている作家さんです。

以前記事に書いたことがあるかもしれませんが、本格ミステリ作家クラブの作品集『からくり伝言少女』の中に、『羅漢崩れ』という作品が収録されており、その作品がなかなか面白かったので、飛鳥部勝則さんについて調べ、読むきっかけになったと思います。何しろタイトルが『堕天使拷問刑』ですからね。

タイトルからしてすごそうなのに、さらにはAmazonでは中古品の出品がなんと¥22,735からとなっており、いったいどんな物語なのだろう、と興味を持ちました。でもさすがにこの価格では読む機会はないかな・・・って思ってたら、普通に図書館にあったんですよね(笑)しかも誰も借りてないという・・・。そんなに知られていない本なんでしょうか。

というわけで、早速借りて読み始めてから・・・う~ん、タイトルの印象から期待したほどの内容ではないかな、と。借りる前は怖いかな~ってドキドキしてたけど、案外普通の内容。理不尽な差別による暴力、事件が起こっても警察に知らせずに内々で解決する、なんて話しやプロローグとエピローグ、間に入る「現在」が多少は思わせぶりで、おっ?って思うんだけど、これといって必要不可欠ってことでもないし(たぶん)。

Amazonのレビューで書かれてた方がいらっしゃいましたが、まさしくB級ホラーっぽい感じです。かといってマニアックってほどでもないし、なんか青春ミステリーみたいな軽めな物語だなっていう印象でした。一応事件はすっきり解決するのでモヤモヤしたくない、って人にはおすすめですが、長いのでかかった時間にモヤモヤしました(笑)

それにしても、文庫化もしておらず絶版ということでこの価格なのわかりますが、私はただただ期待値を上げられただけでした。さらにタイトルが違ったら別の感想を持ったかもしれませんが、こんな本もあるのだな、という感じですぐに返却しました。

という感じですが、いろいろなサイトで評価は高いようなので、こんな感想を持つのは私くらいかもしれません。まだまだ浅い読書家なので大目に見ていただきたいと思います。

飛鳥部勝則『堕天使拷問刑 』(ハヤカワ・ミステリワールド)

江戸川乱歩『孤島の鬼』にドハマリ

さて、次に読み始めたのが、江戸川乱歩の『孤島の鬼』です。たまたま本を持って出掛けるのを忘れた際に、Amazonプライムで無料で読める本を探していて出会った本です。(⇒孤島の鬼/江戸川乱歩

これが非常に面白い!まだ途中ですが、その前にわざわざ購入して読んでいた鮎川哲也さんの『黒いトランク』が、後回しにされてしまいました。もちろん鮎川哲也さんの『黒いトランク』も面白いのですが、それ以上に江戸川乱歩の『孤島の鬼』は続きが気になって中断することができなくなってしまった!(ちなみに江戸川乱歩だけ”さん”をつけないのはいかがなものか、と思うのだけど、江戸川乱歩さんってのもなんか変。さてどうするが)

ちょっとしたBLな雰囲気がなんともドキドキ感を増し、これってもしかして犯人はあのパターン?と予想するも、普段なら、もしそうなら嫌だな~って思うところ、そんな結末だったとしても受け入れられる気がする、などいろいろ想像しながら読み進めています。

この作品を読み終えたらまたあらためてまとめてみようと思いますが、今のところ、この夏一番!の作品です。江戸川乱歩の他の作品にも興味津々です♪

ちなみに、昨日雑誌『BRUTUS特別編集 合本 危険な読書』が届きました♪”バチカンが聖書の写本1冊持っているだけで世界を征服した”というところに、ドキっとしました。”たった1冊であっても、本は世界を変容させる力を秘めている。”との一文に、私もひとつひとつの作品を大切に読んでいこうと、思いました。

過去の「危険な読書」という特集の3冊の合本になっているということなのでお得ですね♪